1962年から始まったモールトン自転車、その始まりは特徴的なF型フレームで、60年も以前から前後サスペンションを搭載していました。その中でも1966年に追加された7/8スケールモデルが、このモールトン・ミニです。オリジナルのホイールが小径の16インチであるのにさらに小さい14インチです。子供用に見えますが、SturmeyArcher製4段変速ハブなどの各パーツ構成は大人（最大178cm）の使用を前提としています。翌年の1967年にはフロントサスペンションは省略されたらしいので1966年式であることは間違いないでしょう。くたびれた外観ではありますが、時代を生き抜いてきた証とも取れますので軽い整備とパーツ交換でそのまま乗ってもいいですし、フルレストアベースとして考えてもいいでしょう。また、クラシック・ミニ乗りであれば一台は持っておきたい自転車ではないでしょうか。モールトン自転車の入門としてもおすすめです。外観の良くないところを挙げるとキリがないのですが、錆は至るところにあります。塗装も荒れています。メッキタイプのシートポストも錆があります。サドルはオリジナルではありません。タイヤはかろうじて空気は入るものの限界を超えています。リアの泥除けはリペイントなのか色味が違います。それでも自転車として、走り曲がり止まることはできております。このタイプのお約束と言えるのですが、プラスチック製ケーブルガイドはことごとく劣化破損で現存しておりません。これだけは放置せず、タイラップや接着式のガイドなどで留めるとよいでしょう。なにも足さない外さない現状販売です。変速機の状態を確認したところ、シフターレバーとの位置ズレがあるものの各ギアに入ることはできています。あとはシフターケーブルのテンション調整で済むでしょう。